伊藤研究室が取り組む「可視化」という研究分野では、最近では社会科学に関する応用が増えています。 このページでは、可視化に関する伊藤研究室の研究テーマで、社会科学に深く関係があるものを紹介します。
点と点を連結して構成されるネットワーク構造は可視化の研究においても重要な課題です。その中でも伊藤研では、人間関係や著作関係のネットワークに注目した研究を進めています。ここではその例として、論文参照関係ネットワークの可視化を紹介います。
学術論文を探す、という作業は研究を進めていく上で重要な作業の1つです。しかし、初学者は論文を探すための適切なキーワードを全て知っているわけではないため、検索エンジンを用いた方法では、検索に用いたキーワードによっては見落としが起こる可能性があります。また、研究分野の知識がないと、その論文がある研究分野においてどのような立ち位置であるのか、を把握することも容易ではありません。
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- T. Itoh, K. Klein, Key-node-Separated Graph Clustering and Layout for Human Relationship Graph Visualization, IEEE Computer Graphics and Applications, Vol. 35, No. 6, pp. 30-40, 2015. (PDF)
- R. Nakazawa, T. Itoh, T. Saito, A Visualization of Research Papers Based on the Topics and Citation Network, 19th International Conference on Information Visualisation (IV2015), pp. 283-289, 2015. (PDF)
- N. Toeda, R. Nakazawa, T. Itoh, T. Saito, D. W. Archambault, On Edge Bundling and Node Layout for Mutually Connected Directed Graphs, 20th International Conference on Information Visualisation (IV2016), pp. 94-99, 2016. (PDF)
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クレジットカードの盗難や偽造、およびそれに伴う不正利用は、深刻な社会問題となっています。
特に近年では、スキミングなどの技術を用いた巧妙な不正利用が多く、その被害を最小限に食い止める技術の確立が望まれています。
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- A. Nagasaki, T. Itoh, M. Ise, K. Miyashita, A Correlation-based Hierarchical Data Visualization Technique and Its Application to Credit Card Fraud Data, 1st International Workshop on Super Visualization, 2008.
- 迫田, 伊藤, 伊勢, 宮下, クレジットカード不正履歴テストデータの特徴発見のための可視化とGUIの一手法, 可視化情報学会第36回可視化情報シンポジウム, 2008. (PDF)
- 長崎, 伊藤, 伊勢, 宮下, 相関性を考慮した大規模階層型データの可視化 ―クレジットカード不正履歴テストデータの可視化への応用―, 可視化情報学会第36回可視化情報シンポジウム, 2008. (PDF)
計算機ネットワークに悪意をもって侵入や攻撃を試みる人が増えています。
その被害として最近、ネットショッピングサイトのサービス妨害や、
企業・自治体の機密情報漏洩、といった深刻な事例が報告されています。
このような悪意ある攻撃と侵入をリアルタイムに検知することで、
被害を最小限に食い止める技術の確立が望まれています。
この図は、計算機ネットワーク上の多数の計算機に及ぶ、不自然なアクセスの分布を可視化したものです。このような可視化結果をリアルタイムで監視することにより、計算機ネットワークの管理者は悪意ある攻撃と侵入を早期に検出し、被害を小さくすることができると考えられます。 なお本研究は、京都大学高倉准教授との共同研究であり、 その一部は中間団体JPCERTコーディネーションセンターからの受託によるものです。 |
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- M. Kikuchi, T. Itoh, A Visualization Technique for Monitoring of Network Flow Data, 1st International Symposium on Information and Computer Elements (ISICE), pp. 291-296, 2007. (PDF)
- T. Itoh, H. Takakura, A. Sawada, K. Koyamada, Hierarchical Visualization of Network Intrusion Detection Data in the IP Address Space, IEEE Computer Graphics and Applications, Vol. 26, No. 2, pp. 40-47, 2006. (PDF)
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大量の文書の中から流行や傾向を抽出することは、多くの分野で有用であるとされています。
例えば大量の新聞記事の中から関連性のある一連の記事を抽出する、学術論文や特許出願の中から共通の技術を抽出する、などの点で有用であるといえましょう。
この図は「左京と右京」という技術を用いて、毎日新聞の1998年のビジネス記事の分布を可視化したものです。
左側には我々自身で選んだキーワードの出現分布、右側には関連性の高い記事をグループ化した結果を表わしています。
この可視化技術では左側と右側で相互操作が可能なので、これを駆使することによって、新聞記事に関する細かい関連性を掘り下げて発見することが可能になります。
なお「左京と右京」は、ビジネス記事の可視化だけでなく、 論文誌情報の可視化にも拡張されて現在にいたっています。 |
- 橘, 伊藤, 左京と右京:大規模表形式データの可視化の一手法, 芸術科学会論文誌, Vol. 7, No. 2, pp. 22-33, 2008. (PDF)
- T. Itoh, H. Tachibana, Visualization of Corpus Data by a Dual Hierarchical Data Visualization Technique, the 7th NTCIR (NII Test Collection for Information Retrieval Systems) Workshop Meeting on Evaluation of Information Access Technologies, pp. 534-541, 2008. (PDF)
- 白鳥, 伊藤, 大規模表形式データ可視化手法「左京と右京」を用いた文献データの可視化, 第1回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM), 2009. (PDF)
- K. Shiratori, T. Itoh, Journal Visualization by a Dual Hierarchical Data Visualization Technique, IEEE Pacific Visualization Symposium, Poster Session, 2009. (PDF)
ウェブサイトの設計者や管理者、さらにインターネットビジネスに関わる人は、
どのような人がどのようにウェブサイトを閲覧しているか、常に注意を払っています。
私達は、多数の人が同様なページの組合せでウェブサイトを閲覧するパターン
(アクセスパターン)に着目し、その可視化手法を開発しています。
この図は、ウェブサイトのアクセスパターンを可視化した例です。 円または正方形のドットがウェブページ、その間に引かれた線分がリンク、 円に塗られた色がアクセスパターンの種類を表しています。 この可視化結果から、どのようなアクセスパターンが存在しているか、 またアクセスパターンを構成するウェブページ群がどのようにリンクをたどってアクセスされているか、 といった状況を観察することができます。 |
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- M. Kawamoto, T. Itoh, A Visualization Technique for Access Patterns and Link Structures of Web Sites, 14th International Conference on Information Visualisation (IV10), 2010. (PDF)
- 川本, 伊藤, ウェブのアクセスパターンとリンク構造の同時可視化の一手法と適用事例, 芸術科学会論文誌, Vol. 10, No. 2, pp. 68-78, 2011. (PDF)
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企業のプロジェクト管理をはじめ、多くの業務現場において、その業務の進捗状況を細かいタスクの集合として管理することがあります。
この進捗状況を構造的に観察することで、業務の合理性を評価することが可能になると考えられます。
この図は、タスクの集合を階層的に表現し、その負荷を色分け表示したものです。このような可視化によって、業務の負荷が特定の箇所に集中していないか、業務の遂行のタイミングが合わなくて無駄が生じていないか、といった業務の合理性を評価することが容易になると考えられます。 なお、このような可視化手法は企業のタスク管理に限らず、時系列に沿って並列的に実行される各種の問題に適用が可能です。 我々は並列計算機のプログラム実行状況を監視する目的でも、この可視化手法を実験しています。 |
- Y. Uchida, T. Itoh, A Visualization Technique for Hierarchical Time Series Task Data, 1st International Symposium on Information and Computer Elements (ISICE), pp. 279-284, 2007. (PDF)