コンピュータやデジタル機器との対話操作(インタラクション)の研究はその幅広さを拡大し続けています。 このページでは、伊藤研究室の研究テーマのうち、対話操作の新しい形を切り拓く技術について紹介します。

 



PCやスマートフォンによる情報検索は、もともとは欲しい情報が最初から定まっている目的指向の検索のために普及してきましたが、最近ではそれに加えて「何か面白いものはないか」という漠然とした要求にもとづく非目的指向の検索を欲するユーザが増えています。 そこで本研究では、アパレル商品を題材とした非目的指向の検索支援システムを提案しています。 このシステムでは、漠然と多くの商品を閲覧させながら、システムがユーザの興味を緩く学習し、ユーザを飽きさせずに少しずつ興味範囲を絞れるような商品検索・商品推薦を実現しています。


  • E. Koike, T. Itoh, An Interactive Exploratory Search System for On-line Apparel Shopping, Visual Information Communication and Interaction Symposium (VINCI2015), pp. 103-108, 2015. (PDF)
  • E. Koike, T. Itoh, A Mobile Application for Interactive Exploratory Search of Apparel Products, NICOGRAPH International 2016, 2016. (PDF)
  • E. Koike, T. Itoh, An Exploratory Apparel Product Search Interface Adopting Shopping Psychology, 芸術科学会論文誌, Vol. 14, No. 5, pp. 170-179, 2015. (PDF)

 

インターネットを毎日利用する人の閲覧履歴は、人の行動や知識を要約する重要な情報であると考えられます。我々が発表するHistoryPaperは、1日の閲覧履歴の中で特に重要であると判断したWebページ群を抽出し、それらを雑誌のようにレイアウトして表示します。これによって、ユーザーの毎日の行動や獲得知識を要約表示できると考えられます。
HistoryPaperではまず、閲覧履歴を構成するWebページ群をその内容でグループ化し、各グループから代表ページを選出します。 続いて、Webサイトのデザイン手法として近年普及している「マガジンスタイル」を模倣するレイアウトアルゴリズムによって、代表ページ群を一画面に配置します。 この手法により、ユーザの閲覧履歴をライフログとして活用することを可能にし、特定の日におけるユーザの行動を思い出すといった知識復元に役立つことが期待されます。
  • C. Matsueda, T. Itoh, HistoryPaper: A Magazine-Style Layout of Representative Web Pages Extracted From Browsing History, Visual Information Communication and Interaction Symposium (VINCI2015), pp. 61-68, 2015. (PDF)
  • C. Matsueda, T. Itoh, A Daily Life Visualization by Representative Web Page Selection and Magazine-Style Layout, 芸術科学会論文誌, Vol. 15, No. 4, pp. 135-146, 2016. (PDF)

 

一般消費者の評価を収集した集合知としての情報が、近年ではインターネットに広く公開されています。これらの情報において、一般消費者は全ての店舗や商品に対して評価を入力しているわけではありません。一般消費者の各々はごく一部の店舗や商品に対してのみ評価を入力していたとしても、大人数による評価の集合によって有益な情報が構築されています。
このような集合知をより効率よく構築するために我々は、印象評価収集を目的とした効率的なアンケート収集システムを提案しています。また、実施したアンケートの集計結果をユーザに効果的に伝えるためのランキング手法および可視化手法を提案しています。 このアンケート集計システムでは、ユーザの評価が高い(または低い)コンテンツに対する回答が重要な回答であるという前提に基づき,そのようなコンテンツを積極的にユーザに提示します。 またランキング手法では、多数の回答者による印象評価結果から任意の2つのコンテンツ間のスコア差を算出し、その総計によって各コンテンツのスコアを算出します。また、どの回答者にも提示されなかったコンテンツのスコアを推定するアルゴリズムも搭載しています。
  • E. Gomi, Y. Saito, T. Itoh, Visualization of Crowd-Powered Impression Evaluation Results, 19th International Conference on Information Visualisation (IV2015), pp. 89-94, 2015. (PDF)