画像処理やコンピュータグラフィックスなどのコンテンツ制作技術を、コンピュータに精通していない一般の人にも使えるようにしよう、という機運が最近高まっています。 このページでは、伊藤研究室の研究テーマのうち、コンテンツ制作の道具として使える技術について紹介します。
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3次元CG技術はアニメやゲームなどを通して、さまざまな形で私達の日常生活で目にする存在となりました。
しかし、その3次元CGのキャラクタ自体を私達がデザインするのは簡単ではありません。
そこで3次元CGをもっと私達自身で楽しむために必要な技術として、3次元CGのキャラクタを手軽に作成できる技術があげられるかと思います。
この図は、ヒートカッターという電熱線のような工具で、発泡スチロールのような柔らかい物体を切る操作を模倣したものです。 このような操作性で形状を作成するCG技術により、3次元CGのキャラクタをより短時間で作成できるのではないか、と考えています。 私達はこの技術をIgel と名付けました。 Igelとはドイツ語でハリネズミを意味し、この技術で作成したいキャラクタの一例を表わしています。 またIgelという単語には、「Interactive Graphics Enabling Light-modeling」という意味もかけています。 |
- 今泉, 伊藤, IGEL〜ヒートカッターを模した3次元形状モデリング〜, 芸術科学会論文誌, Vol. 8, No. 2, pp. 43-50, 2009. (PDF)
- H. Imaizumi, T. Itoh, IGEL: A Virtual Heat Cutter for 3D Shape Modeling, The 8th ACM SIGGRAPH International Conference on Virtual-Reality Continuum and Its Applications in Industry (VRCAI), 2009. (PDF)
画像とCGの合成、という技術は既に多くの目的で普及しています。
映画やアニメ、ゲームなどの映像技術で多用されているのはご存知かと思いますが、
工業製品(例えば自動車、建築、電気製品)のビジュアルシミュレーションやパンフレット作成の目的でも、未完成の製品をCGで表現し、それを背景画像に合成する、といった工程がよく用いられます。
本研究室では、画像とCGの合成に関する研究のうち、 以下のような問題に取り組んできました。 一つ目は、スタンドライトのような近接照明を含むシーンの自然な表現です。 このシーンは、CGで作成したマグカップと、実写画像の合成によって作成されています。 スタンドライトがつくるマグカップの影を自然に合成できているのがわかるかと思います。 二つ目は、CGで表現された気象現象(本研究では虹)の、実写画像への合成です。 このシーンでは現実の照明条件や観察位置を考慮し、実写画像に写る物体の奥行きを考慮することで、できるだけ現実に出現しうる虹を再現しています。 |
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デジタルカメラの普及にともない、個人が大量のデジタル画像を保有するようになりましたが、
そのわりにデジタル画像の編集や加工の技術は誰にでも身近なものとは言い切れません。
その大きな理由として、デジタル画像の編集や加工には高級なソフトウェアが必要であり、
それを操作するには専門用語の理解が必要であり、
結果として初心者には敷居が高いと思われがちである、という点が挙げられます。
それを解決するための試みとして我々は、 サンプル画像の手動グループ化という直観的操作に基づいた、 画像処理ユーザインタフェースの一手法を開発しています。 この手法では前処理として、サンプル画像の中から似ていると感じる画像群を、 ユーザにグループ化してもらいます。 続いて、このグループ化結果からサンプル画像処理を導き出し、 ユーザにはサンプル画像処理の一つを選択してもらうことで画像処理を実現します。 我々自身によるユーザ評価により、本手法には好意的な結果が認められています。 |
- 山田, 伊藤, 渡辺, 直感的選択に基づく画像処理ユーザインタフェースの一手法, ヒューマンインタフェースシンポジウム, 2009.